毎日忙しい生活の中で…自分に求められている役割の種類が数年前と比べ、圧倒的に増えてきた実感がある。自分が望んできた状況の中で、そうなってきたのだから…違う角度から見れば嬉しい状況たが、時に悩みの種となる。

もちろん…人それぞれに役割があり、その事により充足感を得られたり、足りない自分が見えてくるので、より成長していくため(生きていくため)には、その種の悩みも…無くてはならないものなんだろう。

自分にとって一番重要な役割だと認識していることは…間違いなく患者様にとって有益なDr であり続ける事。医学の進歩は日進月歩…とにかくいつまでも謙虚な気持ちで勉強し続け、自分のクリニックで目の前の患者様に最新情報を発信し続ける事だと肝に銘じている(一期一会)。この器は…大丈夫。この職業が大好きだし、誇りを持ってより大きくしていける自負はある。

開院以来…一番苦手なのが院長としての役割。院長職の中でも、Dr よりの役割ならそつなくこなす自信はある。経営者的な側面も、『本当に患者様のためになるのか?』と考えていれば自ずと正しい答えが見つかるし、どうしようも無く迷った時は『自分がこの決断で楽しいか?』…自問自答して決断するので後悔もしないし、ある種の信念があるから、意外とそんなに悩まないですんでいる。

だが…スタッフ達にとって良い院長?スタッフ達にとって良い職場環境?…考えだすとこれ程までの難題は無い事に気がつく。職場環境は、社労士さんと一緒にシステムを構築すればある程度歩み寄れるだろうし、他業種の職場でも良いと思えるアイディアは積極的に取り入れる努力はしている。

恥ずかしい事だが、患者様に対して良いDr…に対する答えは持ち合わせているが、スタッフ達にとって良い院長?…の答えは皆目検討がつかない。今まで考えた事も無かったし、必要に迫られて必死に考えるが、いつも堂々巡り。答えが出ずに結果、自分のリーダーたる器の小ささに気付き自信を失う…。私が考える理想的なリーダー像は、自分の考えをしっかりと、冷静に部下に伝え動かせられる人物なんだと思っている。

私は…何故か患者様に対して良いスタッフの在り方やこうして欲しいの回答は数多く持ち合わせている。理想だけは高い。だからこそ…『伝え方、伝える力』を身に付けなければ…今一番欲しい能力であり鍛えなければならない器である。

仲の良い友達や同じ院長仲間、最愛の妻には…考え過ぎの気の遣い過ぎ、もっと割り切ったら?…なんて励まされる事が多くなった。変なところでスタッフ達に気を遣い精神的に疲れる…疲れるから、感情が表に出過ぎて真意が伝わらなくなる。「もったい無いよ」私の事を良く知っている人達だからこそのアドバイスなんだろう。

ある高崎の先輩開業医の先生とスタッフの在り方で話す機会を得た…そこでは全職員が受付業務から検査業務、診察室介助業務をまんべんなくこなせるらしい…結果、患者様をなるべく待たせないように助けあう雰囲気が自然とスタッフ間で出来上がっているとの事。まさに理想の形態…。

また、私の人生において、もっとも嬉しい役割は…父親としての器を磨けている事。でも正直、毎日分からない事だらけ、育児本をいくら読んだって、正解なんて無いんだと思えてくる。忙しさにかまけていると、いつの間にかこんな事が出来るの?こんな事考えるようになったの?驚きの連続で毎日楽しい…。息子達には、成人したら、ワインを教えてあげたいし一緒にゴルフもしたい。人生に希望を与えてあげられる父親でいたいし、彼らの一番の理解者でい続けたい。

下之城眼科クリニックは、当初は、私が医師としてだけの理想を掲げ、立ち上げました。今や賛同してくれる仲間達や、多くの患者様や紹介を頂ける先生方が頼りにして下さいます。本当にありがとうございます!その分、患者様一人一人をお待たせしてしまう時間が増えてきてしまい、ご迷惑をおかけしてしまっているのが現状です。

下半期に向け、私は私なりにリーダーとしての器を大きくする努力をして、患者様にとってより良いクリニックとなる改善案を示し続け、うちのうちなりの理想型(患者様本意)をスタッフみんなと協力して模索し続けます。
それが…患者様満足度につながり、微力ながら地域医療に貢献する術だと考えるからです。

下之城眼科クリニック