網膜の中心に穴があく黄斑円孔と言う病気は、あるステージを超えて進行してくると手術を選択します。

今回は、手術の方法が少し改良され…難治な最終ステージ(stage4)の古くて大きな穴まで治せる可能性が出てきたのでお話します。

初回手術であれば…invertedILM法で対処します。円孔周囲に続発的な黄斑前膜を伴っていてキサントフィルが脱出している場合は、stageに関係無くキサントフィルを残して穴に埋めるようにしています。網膜最内層の内境界膜を剥離して円孔内に全周からトリミングして埋め込むという方法です。

再手術例であれば…free flap法で対処します。他の場所から内境界膜を円孔径より少し大きめに剥離してきて、円孔底に埋め込みます。自分は低分子粘弾物資をおもし代わりに使用してガス置換しています。

以前より、上記手術法の改良により難治例であった陳旧例の黄斑円孔の閉鎖率も格段に上昇しています。

ただ…単純な黄斑円孔も難治例の黄斑円孔も術後には、うつ伏せ(伏臥位)が必要なのは変わりません。

経験者(患者様)にすると…かなり伏臥位は辛いと言うお話しをいつも聞きます。

24時間で閉鎖するとの見解も出てきていますので、なるべく患者様の術後の負担を減らす工夫にも取り組んでいきたいと思っています。

下之城眼科クリニック