緑内障患者様で、どうしても点眼など薬では眼圧が下がらず視野障害の進行を食い止めれない時…我々は外科的手術を選択します。

外科的手術をしても失った視野が回復するわけでは無く、眼圧を下げる手術です。

以前から、行われている繊維柱帯切除術(レクトミー)もその選択肢の一つですが…傷口が大きく、特に術翌日の眼圧を予測する事は難しく、異常な低眼圧になっていたりする事もしばしばありました。また術後長期にわたりその機能(眼圧を低く保つ)を維持するのも至難の技です。

そこで、エクスプレス法という金属を埋め込み眼圧を下げる術式が、術後の眼圧変動も少なく(術中に翌日の眼圧を予測しやすい)、さらに手術時間も短くて済むので私のところでは第一選択術式としています。

もちろん術後管理には、独特のコツと経験は要りますが…。うちでエクスプレス手術を受けられた多くの患者様で術後経過は良好に推移しています。もちろん必要に応じて、ニードリングなど追加処置も適切に行ってですが…。

レクトミーもエクスプレス手術も、結局は結膜という白眼の薄い膜の状態により難易度が変わると考えています。結膜の薄い人、以前結膜をいじった既往のある眼は異常な癒着があったり脆くなっている可能性もあり難易度が高いです。

当たり前の事ですが…白内障手術、硝子体手術、緑内障手術、外眼部(翼状片オペなど)手術など…お互いが一見関わり合いの無いような手技同士に思えますが、あとあとその患者様にどんな疾患が発症し、追加手術が必要になるか分かりません。

我々は、初回手術から、単発手術であっても出来るだけ小切開、低侵襲手術を心掛ける必要があるのです。

下之城眼科クリニック