開院以来、硝子体手術の必要な患者様に全力で対応させて頂き、地域医療に貢献してきた自負がある。実は、当院の大黒柱。これからも…。他院には無い特徴のひとつ。

また、『歪み』の自覚症状に真剣に向き合っています。歪みは、網膜の中心である黄斑の異常でしか生じません。例えば…黄斑上膜、黄斑円孔、硝子体黄斑牽引症候群、黄斑浮腫、網膜分離。全て当院で手術対応していて、患者様に喜ばれています。もちろん硝子体注射も普通に行っています。開院以来の当院の手術実績は半年毎に更新していますので、ぜひ併せてご覧ください。

また、このブログを読まれた方は、1日一回でも良いので、交互に片眼での見え方に変化が無いか確認する習慣を持ってください。格子状のマス目が歪んでいないか?見たい中心が暗く無いか?もし、異常を感じたら当院にぜひ相談してください!

以前のブログでも書いたが、当院の初オペが網膜剥離から始まったのも何かの縁かと思っている。ここで、硝子体手術をしていく…。なぜか、網膜剥離は時期が重なることが多く、特に長期休暇を前に連続する事があります。まるで感染しているように。患者様と相談して、当院での手術を希望されれば、いつもどうり手術で剥離が治る環境に整えるだけ…。緊急が同日2件なんていう日もあります。

私が硝子体手術に生涯携わりたいと思った出来事のひとつに…眼科医4年目のある出向病院での出来事が強く影響している。

白内障手術は、なんとか独り立ちした頃…ある近隣の開業医の先生から重篤な白内障術後の合併症の一つである眼内炎の患者様を紹介された。もちろん当時の上司宛てへの紹介である。緊急での硝子体手術の結果…患者様は視力を温存出来ました。

今では、原因菌により…その視力予後が左右される事が分かっている。それでも大事なのは、早期発見と早期硝子体手術(外科的介入)

期待を持って白内障手術を受けた後に感染症やトラブルが起きる事は、対処を間違えると手術を受ける側と手術を執刀する側とどちらも不幸にする事になりかねません。本当に…。

私は、その時、悲壮感を持って来院された患者様の表情と不安と心配でしょうがないご家族様の表情を忘れられません。藁をも掴む思いで、紹介先まで移動してきた事は想像に難くなく…。例えば、白内障手術をした同じ施設で同じ術者が処置出来たのであれば…全てが無駄な心労の時間だったんでは無いか?と思いました。

当たり前ですが…白内障手術をした先生よりも、後で合併症を処理した先生が感謝され、最後まで頼られる。術後合併症は、誰が手術しても…起きる時は、必ず起きる。だからその対処法を会得した方が合併症をゼロにする努力(不可能)より、より患者様のためになると考えるようになりました。どうせ術者として生きていくなら…最後まで面倒を見られる技術を身につける。

ちょうど眼科専門医試験を受ける時期と重なった体験でしたので、私の専門医となってから歩む道は、はっきりと決まりました。本当の意味での術者として独り立ちをすること。巡り合わせも良く、網膜復位術や20G硝子体手術をしっかり経験出来た後に、今主流のMIVSをスタート出来た事。常に向上心があり卓越した技術や知識を持った臨床畑の上司の元での同僚達との数年間の切磋琢磨した臨床経験は…その後の眼科医としての私なりのスタイルを確立する礎(患者様のために必死に常に治療レベルを上げていく事)になっている。

術後合併症として…網膜剥離、網膜剥離再剥離、水晶体核落下、眼内レンズ落下や変位、眼内炎、そして駆逐性出血。今まで、全てを経験し対処させて頂きました。水泡性角膜症の患者様に対しDSAEK手術を執刀させて頂いた貴重な経験もあります。その時々での指導医の先生方や患者様との出会いには、本当に恵まれてきました。

そんな経験を活かし…ご紹介を頂くトラブル眼を対処させて頂く場合。両方の立場に敬意を込め出来る限りの即日対応(もちろん緊急度を把握して)を心掛けています。そして即日結果報告(患者様やご家族様、執刀された先生へ)をして、出来るだけ、無駄な不安な時間を短くしてあげたい思い対応させて頂いております。

最後に、どこの大学病院も…最先端の研究、教育、臨床と3本柱がある事はよく知られた事だと思います。臨床で負担がかかり過ぎると、研究や教育という大学病院でしかできない役割に歪みが生じ、無理をし続ければスタッフ達は疲弊する。私が昔、慶応大学病院にいた時の素直な感想です。群馬大学も例外ではないと思います。逆に、クリニックに課せられた責任は、臨床だと思っています。大学病院でしか対応できない眼(患者様)も確かにありますが…。そんなに多いかな?

出来る限りの事をクリニックで対応する事が、私の考える地域医療への貢献だと思っています。

今週末…毎年のように参加させて頂いている硝子体ビデオセミナーに今年も参加してきます。今の自分の臨床レベルの確認と、少しでも翌週から患者様のためになる知識や手術のちょっとしたコツを吸収できたらと思っています。全ては、患者様のために…。

下之城眼科クリニック